スポーツ選手も苦しむ手術の後遺症とその対策

健康

今回は整形外科で働いていた医療従事者が手術や怪我後に何が起こっているのかについてお話します。また、なぜ怪我したあとは放っておいてもなかなか治らないのか、別の部位に痛みが出たりするのかについてお話します。

1、怪我や手術後で何が起こるのか

世の中で手術は最終手段的なもので、最強だと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、「手術をしても悩みが解消されない」やむしろ悪化したなどもよく聞きます。なぜ起こるのでしょうか?

まず、手術からお話します。手術は目的となる組織を直接切除もしくは縫合することです。とても有効であることは間違いなく、多くの方を救ってきました。しかし、メリットとデメリットが存在します。

メリット

  • 直接組織を治療することができる(がん細胞やヘルニアの切除、血管の縫合など)

デメリット

  • 多くの体力を消費する。
  • 術後部位に炎症反応がおこり、癒着や瘢痕化が形成される。
  • 症状の原因ではない組織を切除した場合、無意味に切開することになる。

これらを考え、お医者様と相談した上でメリットがデメリットを上回る場合に実施するのが失敗しないために最低限必要なコミュニケーションだと私は思います。

また、手術以外にも怪我が起こると手術と同様に炎症反応が発生します。それにより癒着や瘢痕化が発生します。ですので癒着や瘢痕化の影響についてお話します。

2、癒着や瘢痕化について

癒着や瘢痕化とは簡単に言ってしまえば傷を修復する過程で必要な「のり」の様なものと考えてください。

傷や怪我が治った場合は不必要なものであるということになります。

ではそれらが残っているとどういった影響があるのか。

簡単に言うとのりがくっついている状態なのでその関節や傷の部分が動きにくくなります。

例としてイメージしやすいものは足関節捻挫でしょう。

足関節捻挫で外くるぶし(腓骨 外果)の少し前のしたで捻挫した場合、足首の外側がくっついているため外に引っ張られたり、動きの中で足首以外が動きすぎたりします。

つまり、足首が怪我をして、足首の痛みはなくなったにも関わらず、が痛かったり、股関節や腰に違和感があったりなどの理由の一つにこれが挙げられるでしょう。

また、癒着は中に神経や血管が形成されることがあり、そういった場合はその部位を圧迫すると痛みが走ったり、長時間運動したり、気圧の関係で血管が虚血を起こして、違和感が出たりします。

3、治療の限界

では手術の後や怪我をして癒着が生じた場合はどうしたら良いのでしょうか?

基本的には病院やクリニックのリハビリに通って癒着を剥がすようにして可動域の改善を狙います。その病院のお医者様やリハビリスタッフの能力次第にはなりますが皮下組織や関節の癒着はかなり剥がせる可能性があります。理由としては皮膚や関節は手で動かせるためです。

しかし、逆を言えば手で操作できない部分は剥がすことが困難になります。つまり、大きい怪我や手術であればあるほど完全に元通りは難しいとされています。

ただ、影響を最小限にしたり、他の関節を動きやすくして怪我をした部分の影響を減らすなど様々な対処法ががありますので、お世話になっているお医者さま、リハビリや体のケアをしてくれている方にご相談ください。

4、まとめ

・手術や怪我の後は炎症症状により癒着や瘢痕化などが形成されてしまう。

・癒着などにより関節の動きが制限されたり、姿勢に影響が出る。

・炎症が短く、癒着が皮下組織の浅い部分にあったりなどの場合はかなり剥がせる。しかし、炎症が長く続いて癒着が多くなってしまった場合は完全に戻すことは難しくなってくる。

いかがでしたでしょうか?怪我や手術のあと放置してしまっている方も多いと思います。意外に今悩んでいる頭痛とか腰痛など怪我や骨折のあとに出た症状は癒着のせいかもしれません。一度相談してみてはいかがでしょうか?

また、怪我をしないに越したことはありません。ではなぜ怪我が起こるのかについてが重要ではないかと思っています。それはまたの機会に。

コメント

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